投資を始めようと思って、最初に詰まるのがここだと思います。
じむにーとどの会社の株を買えばいいのか、まったく分かりません。 上場企業って何千社もありますよね。
私もそこで止まりました。結論から言うと、選ばなくていい方法があります。
この記事ではインデックス投資の仕組みを説明します。具体的な商品名は次の記事で出します。
結論:インデックス投資は「当てにいかない」方法
インデックス投資は、伸びる会社を当てにいく投資ではありません。
市場全体をまるごと買う投資です。どれが伸びるか分からないので、全部持っておく。伸びた会社が全体を押し上げてくれればそれでいい、という考え方です。
投資でお金が増える仕組みで、株を買うとは会社の持ち分を買うことだと書きました。インデックス投資は、たくさんの会社の持ち分を、少しずつまとめて買うことになります。
指数(インデックス)とは何か
まず言葉の整理から。
インデックス=指数は、市場全体の値動きを1つの数字にしたものです。ニュースで「日経平均が上がりました」と言っているあれです。
| 指数 | 中身 | おおよその数 |
|---|---|---|
| 日経平均株価 | 日本の代表的な会社 | 225社 |
| TOPIX | 東証プライム市場が中心 | 1,000社以上 |
| S&P500 | 米国の主要な会社 | 500社 |
| MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス | 先進国+新興国の会社 | 2,000社以上 |
いちばん下が、いわゆる「全世界株」の指数です。40以上の国・地域が入っています。
この数字と同じ動きになるように作られた商品を買う。それがインデックス投資です。
「まるごと買う」を可能にする投資信託
2,000社の株を自分で買おうとしたら、何千万円あっても足りません。これを解決するのが投資信託です。
投資信託は、たくさんの人のお金を1つにまとめて、運用会社がまとめて買う仕組みです。
| 自分で1社ずつ買う | 投資信託を1本買う | |
|---|---|---|
| 必要な金額 | 数十万円×社数 | 100円から |
| 銘柄を選ぶ | 自分 | 指数のルールどおり |
| 配当 | 自分の口座に入る | 内部で再投資できる |
| 手間 | 全部自分 | 運用会社がやる |
じむにーと100円で2,000社に分散できるということですか。 金額の問題だと思っていました。
そこがインデックス投資の大きいところです。かつては大きな資金がないとできなかった分散が、いまは誰にでもできます。
そのかわり運用会社に信託報酬という費用を払います。ここが商品選びの要点になるので、最初の1本の選び方で詳しく扱います。
個別株との違い
同じ「株を買う」でも、やっていることはかなり違います。
| 個別株 | インデックス投資 | |
|---|---|---|
| 選ぶもの | どの会社か | どの市場か |
| 調べること | その会社の決算・事業 | ほぼ不要 |
| 当たったとき | 大きく増える | 市場の平均 |
| 外したとき | ゼロになることもある | 市場の平均 |
| かかる時間 | 多い | ほぼゼロ |
いちばん大きい違いは、外したときに何が起きるかです。
1社に集中していると、その会社が倒産すれば全部失います。2,000社に分散していれば、1社が倒産しても影響はごくわずかです。
じむにーと当てたときの上限を諦めるかわりに、ゼロになる可能性を消しているんですね。
そのとおりです。インデックス投資は大勝ちを狙わないかわりに、大負けもしないようにできています。
なぜ「当てない」ほうがうまくいきやすいのか
理由は2つあります。
1つ目は、伸びる会社を事前に選ぶのが難しいこと。 いま調子のいい会社が10年後も伸びているとは限りません。業界の勢力図は入れ替わります。プロでも外します。
2つ目は、全体の伸びの大半を一部の会社が生んでいること。 市場全体が上がったとき、その上昇を作っているのは一部の会社です。その一部を外すと、市場平均にすら届かないことがあります。
全部持っていれば、そのなかに必ず含まれます。
どれが伸びるか当てられないなら、全部持っておく。 伸びた会社が全体を押し上げてくれれば、それでいい。
分散しても消えないリスクがある
ここは正直に書きます。分散は万能ではありません。
分散で消えるのは、1社だけに起きることです。不祥事、業績悪化、倒産。これらは他の1,999社には関係がないので、全体にはほとんど影響しません。
消えないのは、市場全体に起きることです。金融危機、感染症、戦争。こういうときは、持っている2,000社が一斉に下がります。
| リスクの種類 | 例 | 分散で減るか |
|---|---|---|
| その会社だけの問題 | 不祥事・業績悪化・倒産 | ⭕ ほぼ消える |
| 市場全体の問題 | 金融危機・感染症・戦争 | ❌ 消えない |
じむにーと「分散しているから安心」ではありません。全体が下がるときは、まとめて下がります。
だから、下がっても売らずに済む状態で始めることが前提になります。この話は投資を始める前に確認する3つのことに戻ります。
インデックス投資の弱点
いいことばかりではないので、3つ挙げます。
平均以上にはなりません。 市場と同じ動きになるように作られているので、市場を上回ることは狙えません。
全体の下落は避けられません。 上で書いたとおりです。
退屈です。 やることがありません。買って、積み立てて、あとは何もしない。これが向かない人もいます。
3つ目は弱点に見えて、実は長所でもあります。やることがないので、余計な売買をしません。投資でお金が増える仕組みで書いたとおり、複利は後半に効きます。何もしないでいられることが、そのまま結果につながります。
じむにーと手を動かさないことが有利に働く。ほかの分野ではあまりない性質です。
つまずきやすいところ
「インデックス投資は元本保証」ではない
減ります。市場全体が下がれば、同じだけ下がります。元本割れしない商品ではありません。
「1本買えば分散完了」ではない
どの指数を選ぶかで、分散の範囲がまったく違います。日経平均は日本の225社だけ、S&P500は米国の500社だけです。
このあたりは最初の1本の選び方で具体的に見ます。
「毎月見て、下がったら考える」は必要ない
やることがないのが特長なので、毎日値段を見る必要はありません。見る回数が増えるほど、下がったときに売りたくなります。
まとめ
- インデックス投資は、伸びる会社を当てにいくのではなく市場全体をまるごと買う方法
- 指数=市場全体の値動きを1つの数字にしたもの。全世界株の指数なら40以上の国・2,000社以上が入る
- 投資信託という仕組みのおかげで、100円からでもその分散が買える
- 個別株との最大の違いは、外したときにゼロにならないこと。大勝ちを諦めるかわりに大負けもしない
- 当てないほうがいい理由は2つ。伸びる会社を事前に選ぶのが難しいことと、全体の伸びの大半を一部の会社が生んでいること
- 🔴 分散で消えるのは1社だけの問題。市場全体の下落は消えない
- 弱点は3つ。平均以上にならない/全体の下落は避けられない/退屈
- 「退屈」は長所でもある。何もしないでいられることが複利につながる
仕組みが分かったら、次は「ではいつ買うのか」です。まとめて買うのか、少しずつ買うのか。
次に読む
- 積立投資が向いている理由|価格が元に戻っただけで利益が出る 次に読む記事です。いつ買うかを当てにいかない方法をまとめました
- 投資でお金が増える仕組み|増えた分の6割は最後の10年に生まれる なぜ長く持つほど効くのか。複利の計算です
- 投資を始める前に確認する3つのこと|余剰資金で始めないと続かない 全体が下がっても売らずに済む状態の作り方です
- 投資のはじめ方まとめ|口座を開いて最初の1本を買うまでの9ステップ この記事を含む9本を、読む順番に並べた全体の地図です
参考(一次ソース)
いずれも2026年9月26日に確認しました。指数の構成銘柄数は見直しで変わるため、正確な数は各社の公表資料をご確認ください。
- 金融庁「投資の基本」 https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/knowledge/basic/index.html
- 投資信託協会「投資信託とは?」 https://www.toushin.or.jp/investmenttrust/
- 日本取引所グループ「TOPIX(東証株価指数)」 https://www.jpx.co.jp/markets/indices/topix/index.html
- 日本経済新聞社「日経平均株価 指数算出要領」 https://indexes.nikkei.co.jp/nkave/index/profile?cid=4
