NISAを始めたいけれど、「損したらどうしよう」と思って踏み出せない。その気持ちはよく分かります。投資は元本保証ではないので、元本割れ(入れたお金より減ること)は実際に起こります。
じむにーとNISAって、損することもあるんですよね。どれくらいの確率で元本割れするんだろう。何年持てば大丈夫なのかな。
先に答えを書きます。米国の株(S&P500)の約100年分のデータで計算すると、1年だけ持った場合は約4回に1回(26.5%)元本割れしました。でも、持つ期間が長くなるほど元本割れは減り、15年で約1%、20年ではどの年に始めても元本割れはありませんでした。毎年積み立てた場合は、14年以上でどの時期も元本割れしていません。
この記事では、米国株と全世界株の過去のデータで、何年持てば損しなかったかを計算しました。金融庁の資料でも同じ傾向を確かめています。
結論:長く持つほど、元本割れは減った

- 1年だけ持つと、約4回に1回は元本割れしました(一括で買った場合26.5%)
- 5年では約1割、10年では約6%に下がりました
- 15年で元本割れしたのは、1929年(世界恐慌の直前)に買った1回だけです
- 20年では、どの年に始めても元本割れはありませんでした
- 毎年積み立てた場合は、14年以上でどの時期も元本割れしていません
米国の代表的な株価指数S&P500(配当込み・1928〜2025年の98年分)と、全世界の株の指数MSCI ACWI(配当込み・2001〜2025年の25年分)の年ごとのリターンを使いました。どちらも米ドル建てで、為替の変動、手数料、税金は考えていません。
「一括」は最初に100を入れて持ち続けた場合、「積立」は毎年の初めに同じ額を入れた場合です。すべての開始年で計算し、終わったときの資産が入れたお金を下回った割合を「元本割れの確率」としました。過去の結果で、将来も同じになるとは限りません。
何年持てば、元本割れしなかったか
米国株(S&P500):約100年のデータ
| 持った期間 | 元本割れの確率 | いちばん悪かったとき | 真ん中(中央値) |
|---|---|---|---|
| 1年 | 26.5%(98回中26回) | 100 → 56 | 115 |
| 3年 | 15.6%(96回中15回) | 100 → 38 | 138 |
| 5年 | 11.7%(94回中11回) | 100 → 51 | 181 |
| 10年 | 5.6%(89回中5回) | 100 → 84 | 283 |
| 15年 | 1.2%(84回中1回) | 100 → 97 | 441 |
| 20年 | 0%(79回中0回) | 100 → 160 | 793 |
(一括で100を入れて持ち続けた場合。いちばん悪かったときと中央値は、終わったときの資産)
1年だけだと、100が56まで減った年がありました(1931年)。3年では、世界恐慌のときに100が38まで減っています。でも、20年持った場合は、いちばん悪かった時期(1929〜1948年)でも100が160に増えていました。
S&P500では、16年以上持った場合、どの年に始めても元本割れはありませんでした。
じむにーと1年だと4回に1回も元本割れするのに、20年なら一度もない。持つ期間でこんなに変わるんですね。
全世界株(MSCI ACWI):2001年以降の25年のデータ
| 持った期間 | 元本割れの確率 | いちばん悪かったとき |
|---|---|---|
| 1年 | 28.0%(25回中7回) | 100 → 58(2008年) |
| 3年 | 17.4%(23回中4回) | 100 → 78(2006〜2008年) |
| 5年 | 14.3%(21回中3回) | 100 → 91(2007〜2011年) |
| 10年 | 0%(16回中0回) | 100 → 137(2001〜2010年) |
| 15年 | 0%(11回中0回) | 100 → 184 |
| 20年 | 0%(6回中0回) | 100 → 328 |
全世界株は、データが2001年からの25年分しかないので、試せる回数が少なくなります。それでも、10年以上持った場合は、ITバブル崩壊(2001年)やリーマンショック(2008年)をはさんでも元本割れしていません。
毎年積み立てると、元本割れはもっと減った
同じ額を毎年積み立てた場合も計算しました。
| 積み立てた期間 | S&P500 | 全世界株 |
|---|---|---|
| 5年 | 9.6%(94回中9回) | 4.8%(21回中1回) |
| 10年 | 2.2%(89回中2回) | 0%(16回中0回) |
| 15年 | 0%(84回中0回) | 0%(11回中0回) |
| 20年 | 0%(79回中0回) | 0%(6回中0回) |
(元本割れの確率)
積み立てると、値段が高いときには少し、安いときには多く買うことになります(積立投資が向いている理由)。そのため、一括で買うより元本割れが少なくなりました。S&P500では、14年以上積み立てた場合、どの時期も元本割れしていません。
金融庁の資料でも、20年では元本割れしていない
金融庁の資料でも、同じ傾向が示されています。国内外の株と債券に分散して毎月積み立てた場合の、保有期間ごとの結果です。
| 金融庁の資料 | 5年 | 20年 |
|---|---|---|
| 資産形成 応用編(1989年以降・元本100万円) | 74万〜176万円 | 186万〜331万円 |
| つみたてNISA Meetup資料(1985年以降・元本100万円) | 81万〜183万円 | 178万〜326万円 |
5年では元本100万円が74万円に減った時期がありますが、20年ではどの時期も元本を上回っています。金融庁は「20年の長期保有では、投資収益率2〜8%(年率)に収斂」と書いています。
じむにーと5年では減ることもあるけど、20年続けた人は誰も元本割れしていない。金融庁の資料でも同じなんですね。
元本割れしたのは、どんな時期か
元本割れが長く続いたのは、大きな暴落の直前に始めた場合です。
- 1929年ごろ:世界恐慌。S&P500で15年持っても元本割れした、ただ1つの時期です
- 2000年ごろ:ITバブルの崩壊。S&P500で10年持っても元本割れしました
- 2008年:リーマンショック。全世界株は1年で約42%下がりました
どの時期も、暴落の直前に一度に大きく買って、短いうちに売ると損をしました。逆に、暴落のあとも売らずに持ち続けた人は、時間をかけて取り戻しています(暴落が来たらどうするか)。
元本割れを避けるためにできること
過去のデータから言えるのは、次の4つです。
- 15〜20年以上持つ前提のお金で始める:数年以内に使う予定のお金は、投資に回さない(貯金と投資の割合は?)
- 一度に買わず、毎月積み立てる:買う時期を分けると、元本割れが減りました
- 世界中の株に分散する:1つの国や会社に集中させない
- 生活防衛資金を先に用意する:急にお金が必要になって、下がっているときに売らずに済むように(生活防衛資金はいくら必要?)
いちばん損をするのは、下がったときに怖くなって売ってしまうことです。途中でやめた場合にどうなるかは、投資を途中でやめたらどうなる?で計算しています。
じむにーと元本割れを避けるいちばんの方法は、長く持つこと。そのために、使う予定のないお金で始めます。
NISAならではの注意点
NISAでも、元本割れのしくみは普通の口座と同じです。ただ、NISAの中で損をした場合は、ほかの口座の利益と相殺できません(損益通算ができない)。NISAは利益に税金がかからない代わりに、損をしたときの税金の調整もない制度です(新NISAの仕組み)。
また、この記事のデータは米ドル建てです。日本円で全世界株やS&P500の投資信託を持つ場合は、為替(円高・円安)の動きも加わるので、実際の結果は少し変わります。
長く持つ前提なら、運用で増えた分に税金がかからないNISAで積み立てるのが基本です。口座の開き方は証券口座の開き方にまとめています。
インデックスを積み立てるだけなら、主要ネット証券はどこを選んでも大差ありません。普段使っているポイントや銀行に合うところを選べば十分です。
下のボタンは、当サイトが提携している証券会社の公式サイトへのリンク(広告)です。並びは五十音順で、順位ではありません。
※口座開設・口座管理料は無料です(2026年10月時点・各社公式サイト)。ポイントの種類や条件は各社で異なり、よく変わります。申し込む前に公式サイトで確認してください。投資は元本割れすることがあります。どこで何を買うかは、ご自身で判断してください。
まとめ
- NISAは元本保証ではない。1年だけ持つと、米国株でも全世界株でも約4回に1回は元本割れした
- 持つ期間が長くなるほど元本割れは減り、S&P500では15年で約1%、20年では0%
- 毎年積み立てると元本割れはさらに減り、S&P500では14年以上でどの時期も元本割れなし
- 金融庁の資料でも、20年の積立ではどの時期も元本を上回っていた
- 15〜20年以上使わないお金で、毎月積み立て、下がっても売らないことが、元本割れを避けるいちばんの方法
ここに書いたのは過去のデータの計算です。将来も同じになるとは限りません。
次に読む
- 新NISAの仕組み|30年積み立てると税金288万円が0円になる NISAの基本と、税金がいくら得になるかをまとめています
- インデックス投資の利回りは何%?|全世界株は25年平均で年7% 年ごとのリターンと、長く持つほど平均に近づくことをグラフで見ています
- 投資のはじめ方まとめ|口座を開いて最初の1本を買うまでの9ステップ 口座を開いてから積み立てを始めるまでを、順番に並べています
じむにーと元本割れが怖いなら、長く持てるお金で、毎月少しずつ。それだけで、過去のデータでは損をする確率がぐっと下がっていました。
参考(一次ソース)
2026年10月26日に確認しました(※は2026年10月9日に確認)。
- MSCI「MSCI ACWI Index (USD)」ファクトシート(2026年9月30日基準)※ https://www.msci.com/documents/10199/a71b65b5-d0ea-4b5c-a709-24b1213bc3c5
- Aswath Damodaran(ニューヨーク大学)「Historical Returns on Stocks, Bonds and Bills: 1928-2025」(S&P500 配当込み) https://pages.stern.nyu.edu/~adamodar/New_Home_Page/datafile/histretSP.html
- 金融庁「つみたてNISA早わかりガイドブック」p.6 https://www.fsa.go.jp/policy/nisa/20170614-2/14.pdf
- 金融庁「貯める・増やす〜資産形成 応用編」p.19 https://www.fsa.go.jp/news/r3/sonota/20220317/04-2.pdf
- 金融庁「つみたてNISA Meetup」資料 p.5 https://www.fsa.go.jp/policy/nisa/20170614-2/82.pdf
