買うものが決まったとして、次に詰まるのがここです。
じむにーといま買っていいんでしょうか。 高いところでつかんでしまいそうで、なかなか踏み出せません。
投資を始める前に確認する3つのことで少し触れましたが、この問題には答えがあります。当てにいかなくていい方法です。
結論:毎月同じ額を買うと、タイミングの問題が消える
毎月決まった日に、決まった金額を買う。それだけです。
高いか安いかを判断しません。判断しないので、外しようがありません。
この方法には、もうひとつ性質があります。価格が下がっている期間が、損ではなくなることです。ここが分かりにくいので、数字で見ます。
数字で見る:価格が元に戻っただけで利益が出る
毎月1万円ずつ、4か月買ったとします。価格はこう動きました。
| 価格 | 1万円で買えた量 | |
|---|---|---|
| 1か月目 | 10,000円 | 1.00口 |
| 2か月目 | 5,000円 | 2.00口 |
| 3か月目 | 8,000円 | 1.25口 |
| 4か月目 | 10,000円 | 1.00口 |
| 合計 | 5.25口 |
投資した金額は4万円です。買えた量は5.25口。
平均取得単価は 40,000 ÷ 5.25 = 7,619円になります。
ここで価格の単純平均を出すと、(10,000+5,000+8,000+10,000) ÷ 4 = 8,250円です。
じむにーと平均価格8,250円より安く買えているんですか。 同じ4回買っているのに。
そうなります。理由は次の節で説明します。
先に結果を見ます。4か月目の価格は10,000円、つまりスタートと同じ値段に戻っただけです。それなのに資産はこうなっています。
5.25口 × 10,000円 = 52,500円
投資した金額 40,000円
────────────────────────────
+12,500円(+31%)
価格は1円も上がっていません。途中で下がって、元に戻っただけです。それでも増えています。
なぜ安く買えるのか
理由は単純です。金額を固定すると、安いときほどたくさん買えるからです。
| 価格 | 1万円で買える量 |
|---|---|
| 高い(10,000円) | 少ない(1.00口) |
| 安い(5,000円) | 多い(2.00口) |
高いときには少なく、安いときには多く買う。これが自動的に起きます。
結果として、持っている量の多くが安い時期に買ったものになります。だから平均取得単価が、価格の単純平均より下がります。
判断しているのではなく、金額を固定した結果として、安いときに多く買っている。
比較として、毎月「1口ずつ」買った場合を出します。
| 投資額 | 買えた量 | 平均取得単価 | |
|---|---|---|---|
| 毎月1万円ずつ | 40,000円 | 5.25口 | 7,619円 |
| 毎月1口ずつ | 33,000円 | 4.00口 | 8,250円 |
量を固定すると、平均取得単価は価格の単純平均と同じになります。差を生んでいるのは「金額を固定すること」だと分かります。
下がっている期間の意味が変わる
ここがいちばん大事なところです。
まとめて買った人にとって、価格が下がっている期間はただの損です。早く戻ってほしい時期になります。
積み立てている人にとっては違います。下がっている期間は、同じ金額でたくさん買える時期です。
じむにーと下がっているときに買った分が、いちばん効いているんですね。 さっきの例だと、5,000円のときに買った2口が。
そのとおりです。5.25口のうち2口、つまり4割近くが、価格が半分になった月に買ったものです。
投資を始める前に確認する3つのことで、過去に高値から半分になり、戻るまで5年半かかった局面があると書きました。まとめて買った人にはつらい5年半です。積み立てている人にとっては、安く買い続けられた5年半になります。
同じ相場が、まったく違う意味を持ちます。
正直に書く:積立が常に有利なわけではない
ここは誤解されやすいので、はっきり書きます。
まとまったお金が既に手元にある場合、理論上はまとめて買うほうが有利です。
市場が長期的に上がっていくと考えるなら、お金は早く入れたほうが長く働きます。分けて入れると、待っている間のお金が働いていません。
| 向いている場面 | 弱いところ | |
|---|---|---|
| まとめて買う | まとまった資金が既にある | 買った直後に下がると打撃が大きい |
| 積み立てる | 毎月の収入から出す | 上がり続ける相場では取得単価が上がる |
そのうえで、この記事が積立を勧める理由は3つです。
1つ目は、多くの人にとって選択肢がないこと。 毎月の給料から投資に回すなら、そもそも積み立てるしかありません。まとまった資金を持っていない人にとって、この比較自体が成り立ちません。
2つ目は、続けやすいこと。 まとめて買った直後に3割下がったら、多くの人は耐えられません。積立なら、下がった月は安く買えた月になります。理論上の期待値より、続けられるかどうかのほうが結果を左右します。
3つ目は、判断が要らないこと。買う日も金額も決まっているので、迷う余地がありません。
じむにーと「どちらが理論上有利か」より、「どちらなら10年後も続いているか」で選ぶ場面です。
積立でやってはいけないこと
方法そのものより、こちらのほうが大事です。
下がったら止める
これが最悪です。積立の利点は、安いときに多く買えることでした。 下がったときに止めるのは、その利点だけを捨てる行為です。
さきほどの例で、2か月目(5,000円)に止めていたら、平均取得単価は上がっていました。
じむにーと「様子を見てから再開しよう」と思ったときが、いちばん安く買えている時期です。
毎月自分で買う
意志の力に頼らないでください。証券会社には自動積立の機能があります。毎月決まった日に決まった額を自動で買う設定にしておけば、判断する場面が消えます。
判断する場面が残っていると、いつか止めます。
金額を頻繁に変える
相場を見て金額を上げ下げするのは、結局タイミングを当てにいっているのと同じです。
金額を変えるのは、収入や家計が変わったときだけにしてください。いくらにするかは毎月いくら積み立てるかで決めます。
まとめ
- 毎月同じ金額を買うと、買うタイミングを判断しなくて済む
- 金額を固定すると、高いときは少なく、安いときは多く買うことになる
- その結果、平均取得単価が価格の単純平均より安くなる(例では7,619円 対 8,250円)
- 例では価格が元に戻っただけなのに+31%。下がって戻る動きが利益になる
- 積み立てている人にとって、下落は「安く買える期間」に変わる
- 🔴 ただしまとまった資金が既にあるなら、理論上はまとめて買うほうが有利。積立の価値は期待値ではなく、続けやすさと判断の少なさにある
- やってはいけないのは、下がったら止める/毎月自分で買う/金額を頻繁に変える
- 自動積立に設定して、判断する場面を消す
次は、実際に買うための口座を作ります。
次に読む
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- 投資のはじめ方まとめ|口座を開いて最初の1本を買うまでの9ステップ この記事を含む9本を、読む順番に並べた全体の地図です
参考(一次ソース)
いずれも2026年9月26日に確認しました。
- 金融庁「つみたて投資枠対象商品」 https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/products/
- 金融庁「投資の基本」 https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/knowledge/basic/index.html
- 投資信託協会「積立投資とは」 https://www.toushin.or.jp/investmenttrust/merit/accumulation/
